中部支部 教育情報委員会 深澤博文
令和4年9月16日に静岡市歴史博物館の視察会を静岡市協力のもと開催いたしました。
建物の設計は静岡県建築士事務所協会創立50周年記念講演会でご講演していただいた、
(有)SANAA事務所が手がけられ、平成29年に基本設計、平成30年に実施設計、その後遺構が発見され設計が一時中断、令和元年に実施設計再開、令和3年1月着工、令和4年6月に竣工しました。ちなみに現在は1階部分のみプレオープンしていますが、全て見学できるグランドオープンは令和5年1月13日です。
建物の設計主旨は、駿府城大手御門から二ノ丸堀に続く雁行動線を建物内部まで立体的に延長し、街並みと建物が一体となることで、博物館まで伸びる「人の道」を計画しています。
また、外壁をしっくい調塗装とし、1階廻りに木製建具を設けることや、庇・下屋を用いて歴史的景観に調和することで、過去と今をつなぎ、未来をつくる役割を果たします。
さらに、石垣の石・樹木が魅せる鮮やかな緑の景色の中に、素材感を活かしたアルミエキスパンドメタルの外装をかけ合わせることによって、人々を魅了する外観をつくりだし、新たなランドマークとなります。
建設前の発掘調査で見つかった「戦国時代末期の道と石垣の遺構」を建物内に取り込み、当時の情景を肌で感じることで、歴史を学び、気付きの場となり、新たな一歩を踏み出すきっかけとなる空間づくりに努めています。