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対談「新国立競技場の建設計画で問われていること」

 2020年の東京五輪誘致のタイミングに、新国立競技場建替えの国際設計コンペが昨年開催され、11月ザハ・ハディドがその設計者に決定しました。CGで見る限りその曲面を多用した優美かつ躍動的なデザインは、見る人を近未来的デザインの世界へ誘い、言葉を失わせるほどの威容は「良い悪い」の尺度を超えて圧倒的迫力で人々に迫りました。
 その後正式に東京五輪が決まり、ザハが提案する新国立競技場が現実のものとして報道された時、先ず声を上げたのが槇文彦氏でありました。
 彼は、都市の文脈にそぐわないスケールとプログラムの未熟さを指摘し、都市デザインに向き合う際、何を判断の基準に据えればよいかをJIAの機関誌の中で明確にしました。さらに成熟した市民社会においては、市民の同意なくして景観を私的に変えることは許されないことを、ヨーロッパの都市を引用して説き、景観やまちづくりを考える際の規範や拠り所を正確に示して見せました。
 これがきっかけとなり、新国立競技場と東京五輪の関連施設にまつわる是々非々は、五輪後のまちづくりのあり方と、そのための市民合意の大切さへと議論の方向を向かわせました。
 我々、静岡県建築士事務所協会中部支部 都市委員会は、東京で起きているこの議論に注目しました。これは東京一都市の問題ではなく、どこの都市にもあてはまる現代的テーマではないか、さらに都市デザインとは専門家による事前レヴューがあって初めてその是非を市民に問い、合意を得ていくプロセスがあるべきものではないか、・・・。
 以上のような経緯を経て、ここに二人の建築家の対談を企画しました。

芦原太郎 氏
芦原太郎建築事務所所長

松隈 洋 氏
京都工芸繊維大学教授

日 時 2014年12月11日(木)
開 場 14:00〜
対 談 14:30〜17:00
会 場 ペガサート6階
    プレゼンテーションルーム

 

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